| ある日、一人の老婆が現れました。 「可哀想に。こんなに苦しんで・・・。楽になりたければ、あなたの枯葉剤の犠牲になった人たちに、花を手向けるんだよ」 「え、花を?」 「そうじゃ。お墓へ行って、花を手向けるのじゃ」 一瞬、耳を傾けました。けれど…、激しい恐怖で胸が締め付けられました。 |
![]() |
| 「じょ、じょうだんじゃない! 悪いのはあいつらだ。俺たちは、自由と民主主義のために、命がけで戦ったんだ! 」 | |
| 「枯葉剤を使ったお陰でわが国の大勢の兵士の命が救われたんだ。敵を殺すのは当たり前じゃないか。
悪と戦い、国益を守るのは、市民の神聖な義務なんだ。それに、もし競争に負ければ惨めに殺されるだけだ。力の無い正義など、存在しない!」 彼は、老婆を怒鳴りつけました。 |
![]() |
P.30


