
優しい巨人 |
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東郷 潤 |
〔ふりがな〕 やさしいきょじん とうごうじゅん |
解説「優しい巨人」;絵本で描くテロ・戦争;;怒りと憎しみの絵本集
この絵本のテーマは、怒っている人を悪人だと錯覚する危険です。
自分に対して怒っている人がいるとき、「え? 俺、何か怒らすようなヒドイことをしたんだろか?」
そう考え、相手の怒りの理由を想像する。つまりは、相手の立場になって考える。・・・人々こういう習慣を持っていれば、人々が仲良くすることは決して難しいことではありません。
しかし目の前に怒っている人がいたとき、「こいつ、悪い奴だ」 ・・・人がこんな風に考える習慣を持っていたなら? ・・・誰とも仲良く出来ませんね。
誤解を避けるために言いますが、テロリストと戦うことが悪い事だと言っているのではありません。逆に、戦争を進める人々と戦うことが悪い事だと言っているのも有りません。
相手を「悪い奴だ」と思った瞬間に、人は善悪の目隠しで盲目になってしまうと言っています。
さらに申し上げれば、目隠しが悪いと言っているのでも有りません。そうではなく、目隠しをして道を歩けば危険だよ、と言っているのです。 つまり、目隠しをしていては、歩く道も、テロの原因も戦争の原因も見えなくなってしまいます。
さて、目の前に怒った人がいたとき、「こいつ、悪い奴だ」
もし世界中の人達がそんな風に単純に判断する習慣に染まってしまったら、どれほど平和を祈ろうと反戦の叫びをあげようと、世界平和の達成など夢のまた夢、でしょう。
人が人を(自分自身も含めて)見るとき、
●相手の感情を見て、その原因を見る。…つまりは、人の心を見るのか。
●相手が善人か悪人かを見る。…つまりは、善悪を見るのか。
この2つには、決定的な違いがあるのです。
この違いを、自覚すること/世界に知らしめる事。 それだけのことでテロと戦争の抜本的な解決につながるのではないでしょうか?
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「優しい巨人」の絵本のPDFファイルです。
'The Gentle Giant' - Peace message to a world torn by war and terrorism