
- ⇒絵本「怯える人々」の続編としての位置づけです。
- ⇒「人命は何よりも大切だから」の続編としての位置づけです。
常住死身 |
Memento mori |
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東郷 潤 |
〔ふりがな〕 じょうじゅうしにみ とうごう じゅん |
P.1
解説「常住死身;生と死の絵本集」
この絵本では、「葉隠」(三島由紀夫氏の「葉隠入門」)を取り上げています。
「葉隠」は300年も前に、武士道について書かれた本です。
現代とは世情も価値観も全く異なり、武士の哲学をそのまま現代に当てはめることは出来ません。そもそも武士自体が存在していないのです。
…では、「そのまま」でなければどうでしょう?
葉隠をそのまま当てはめるのではなく加工することを前提で考えれば、葉隠で説く武士道のエッセンスにはとても重要なことが含まれていると筆者は考えています。
そしてそれが生と死の絵本集の1作品として、葉隠を取り上げる理由です。
21世紀前半を生きる多くの現代人にとって、死は忌むものでありタブーとなっているようです。しかしながら人は死ぬ存在です(Memento mori)。 死をタブー視することは死ある現実を直視しないことであり、つまりそれは錯覚/現実逃避につながります。 そして何度も繰り返していますが、現実から逃避すれば、自分が本来好まない現実を結果的に選び・体験することとなるでしょう。
この絵本では、葉隠のエッセンス(と筆者が考えるもの)を、「そのまま」ではなく、平和の絵本流に加工した形でご紹介するものです。 この絵本には、絵本「怯える人々」および「人命は何よりも大切だから」の続編といった意味合いも持たせていますので、 こちらのふたつの絵本も併せてご覧いただければ幸いです。
〔注〕
●「葉隠」「葉隠入門」はそれぞれ山本常朝氏、三島由紀夫氏の思想であり、平和の絵本のものではありません。
また、絵本「常住死身」で表現している内容は、引用部分を除き、あくまでも筆者(東郷)の思想であり、学問的に「葉隠」を解説する性質のものではありません。
研究者の方々の解釈とは、当然に異なるでしょう。念のため。
●自殺を勧める意図は毛頭ありません。